キャラ研発信

「キャラ研」×「SUI」コラボ・プロジェクト第1弾はキューブ型積み木人形「メアリー」

若い研究者とキャラクター文化育成のため2001年・2002年度の2年に渡って実施された研究者支援制度受賞研究の結果発表です。
湯澤 正通 (広島大学 教育学部・助教授)
本研究は、子ども、養育者、キャラクターの3者の関係から、乳幼児によるキャラクターの受容と理解を解明する。具体的には、乳幼児によるキャラクターの受容が、乳幼児の認知発達、すなわちキャラクターの理解の認知的枠組(性格特性に関する理解、道徳性の認識、性役割の理解など)とどのように関係しているか、また、両者の関係に、キャラクターに対する養育者の見方と子どもに対する具体的働きかけがどのように介在しているかを検討する。
松山 雅子(グループ応募)(大阪教育大学 教育学部教員養成課程 教授)
今日の子供文化に浸透した主要キャラクターの特徴には、子供の想像性をはぐくむ物語性がある。今回の研究は、子供の好むキャラクターと物語性の関係を、小、中学校の児童、生徒対象に調査し、その嗜好性の傾向を物語性の特質から明かにすることを目的としている。ひいては、子供が、キャラクターの物語に、何を見いだし、何を求め、そこから自らの物語創造のスキーマをえているのか、物語性の特質の解明を軸に、日常的メディアによって育まれる子供の想像性とは何か論究したいと考えている。
平野 砂峰旅 (京都精華大学 芸術学部 デザイン学科映像分野 助教授)
音声合成技術の発展、コンピュータの性能向上により、Text To SpeechがPC上で実現されるようになった。しかしCGによる人物がキャラクター として成立しているのに対して、これらの合成音声のキャラクターというのは、未だに普及するに至っていない。CGキャラクターやロボットなどがAI機能を持ち、人間とリアルタイムにインタラクションをする場合には、音声合成と共にそのキャラクターが重要になってくると考えられる。ここでは、音声合成のキャラクターをデザインするという観点から、その制作技術の現状と将来像を提示すること。また、実際のアニメーション作品を題材に音声キャラクターが視覚的なキャラクターとどう関連して受容されるかを調査することによって、実際にデザインする場合の指針となることを想定して調査研究をおこなった。
荒木 長照  (大阪府立大学 経済学部教授)
消費者によって異なる性格や人格の付与の傾向や違いを考察することで、キャラクタの特質や消費者の好みなどを分析することが可能になる。キャラクタに人格や性格が付与されると、同一のキャラクタへの感情的な関与が高まり、キャラクタへの接触経験が増加する可能性があると考えられる。キャラクタ接触経験の量的かつあるいは質的増大によって、キャラクタが持つ価値がますます大きなものとなることが容易に想像できる。この過去から現在までの接触経験によって得られる価値を測定することが本研究の目的である。
開一夫 他1名(東京大学大学院総合文化研究科 広域化学専攻広域システム化学系助教授)
テレビゲームが家庭に普及し始めた当初から、テレビゲームが我々の発達や認知活動に与える影響については議論・研究され続けてきたが、未だ統一的な見解は得られていない現状がある。本研究では、テレビゲーム使用中の脳活動を調べることにより、この問題の客観的検証及び新たな知見の提供を試みた。特にテレビゲームの特性による脳活動の違いを検討するため、ジャンルの異なる4種類のテレビゲームを行っているときの正中前頭部近傍の血流変化を、24チャンネルの同時計測が可能な近赤外分光法を用いて計測した。さらにテレビゲームとの比較対象として、簡単な加算作業をしているときの計測も行った。
佐藤雅彦研究室 (慶応義塾大学 環境情報学部)
構成主義とは、1910 〜20 年代にかけてロシアに起こった抽象芸術運動である。長方形や円などの、単純な幾何学的形態の組み合わせによる造形表現を目指した。構成主義から生まれた作品は、シンプルな力強さと魅力をあわせもっている。本研究では、芸術の難しい知識などなくても、構成主義独特の美しさは誰でも感じることができる。構成主義の表現は、芸術作品だけでなく、もっと幅広い分野の造形に用いると面白いのではないか。既存のキャラクター開発手法とは異質な、「基本図形と抽象化」によって新しいキャラクターを生み出せるのではないか、という発想の基にいくつかの試みを行っている。